姉は社長、妹は現場のケア。
頼れるスタッフと一緒に、
みんなで守り継いできた会社。
松本里美さん・美和さん
有限会社松本石材建設
葛尾村出身。姉の里美さんが社長を、妹の美和さんが取締役を務め、姉妹で会社を経営する。ふたりの笑顔が絶えない明るい職場で、「人」が会社の自慢なんだとか。
かつての名残で「石屋さん」って呼ばれてる。
里美さん:この会社はね、父が始めた会社なの。個人事業として石材店からスタートして、1991年に法人化したのよね。わたしたち3人姉妹なんだけど、みんなこの村で生まれ育って。なんとなく、この会社を継ぐのはわたしなのかなって、高校を卒業して浪江町にある建設会社で3年間修行させてもらったの。それで、葛尾村に帰ってきて、会社を手伝うようになって。父が他界して、一時期は母が経営していたんだけど、2014年頃からわたしが社長として会社を担うようになりました。
美和さん:わたしがが葛尾村に帰ってきたのも、その頃かな。高校を卒業して、村外で会社員として仕事をしてたんだけど。里美さんがこの会社を継ぐことになって、手伝いに帰ってきました。
里美さん:会社名が「松本石材建設」っていうんだけど、石材関係の仕事はもうほとんどなくて。でも当時の名残で、地元の人たちからは「石屋さん」って呼ばれてるの。今は、福島県や葛尾村から受注して道路工事や河川工事を行ったり、村営住宅の造成、除雪など、土木工事を手がけています。わたしが社長として仕事の受発注を担当して、美和さんは主に人事がメインだよね。
美和さん:そう、里美さんが経営面を見てくれていて、わたしは現場担当。工事現場に行くことはほとんどないけど、働いているスタッフさんたちのケアだったり、採用の時は面接をしたり、この会社の「人」を見てるのがわたしっていう感じかな。
わたしが現場見てるんだから、間違いないね(笑)
里美さん:この村は、東日本大震災の時に起きた原発事故の影響で、全村避難になった場所。当時、わたしたちも避難して、田村市に事務所と住まいを移していました。その時は復興関連の仕事をしていて、スタッフのほとんどが避難生活を送ったりして大変だったんだけどね。数年経って避難指示が解除されてから、すぐに村に帰る決意をしました。今あるこの社屋は、それから新しく建てたものなんです。
美和さん:その時、スタッフのみんなが会社に戻ってきてくれて嬉しかったよね。辞めてもおかしくない状況なのに。
里美さん:そうね。この会社には、わたしが社長になるもっと前から、長く勤めてくれているベテラン社員さんもいて。本当に心強いよね。
美和さん:うちの自慢は、「人」だよね。里美さんが言うようにベテランもいるし、現場監督も、職人さんもいる。若手のスタッフもいるしね。みんな仕事に対して真摯だし、人当たりもよくて。ま、なんて言ったって、わたしが現場を見てるからね!(笑)
里美さん:そうそう、現場は美和さんに任せてるから(笑)。でも本当に、いい人ばっかりなの。
ほら、おいしそうでしょ?
気合い入れてつくったんだから!
美和さん:今日のランチは、わたしの手づくり弁当で〜す!久しぶりに、気合入れてつくっちゃった。
里美さん:美和さんありがとう〜!会社から家が近いから、昼休みに帰ってごはん食べたりするんだけどね。今日はラッキーだな〜!
美和さん:じゃーん!里美さんの健康を考えて、野菜も入れてきたよ。ほうれん草とえのきを肉巻きにして。あ、ミニトマト入れるの忘れちゃったな〜…。でも、この赤いウインナーかわいいでしょ?上の段はおかずで、下の段はごはんね。
里美さん:今日のふりかけ、たらこかな?
美和さん:そう、たらこ!このふりかけ、すごく美味しいの。間違いないから。
ある日の1日の過ごし方
- 6:30
- 起床
- 7:00
- 出勤
- 7:30
- ラジオ体操
- 8:00
- 現場作業/会議など
- 11:30
- お昼ごはん
- 12:30
- 現場作業/会議など
- 16:30
- 終業
- 17:00
- 帰宅
- 19:00
- 夕食
- 20:00
- お風呂
- 21:00
- リラックスタイム
- 22:00
- 就寝
[2023年12月取材]